エマ・25歳の春
仕事の打ち合わせで朝11時ごろ
曙橋の路地を歩いていた

電柱の影にうずくまっている
緑色の物体があった
なぜか全然怖くなかった

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心の中で
「具合悪いのかな?大丈夫かな?」
と思いながら通り過ぎた

歩きながら
うずくまってる物体の
緑色の皮膚が指で押すと
水が出そうなスポンジっぽい
質感だったのが気になり

「見たことない感じの皮膚だなぁ…」
そう思った瞬間

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突然「餓鬼(がき)」と
言う言葉が私の頭の中に浮かんだ

餓鬼なんて言葉も漢字も
私…知らなかったのに

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心でそうつぶやいて振り向いた

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目だけギラギラしている
緑色の餓鬼が
「気をつけろ」って言った

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急いでたから
「うんわかった」と心でつぶやいて
打ち合わせに向かった